世界で見たBPO市場のランキングは？｜BPO/RPAのことならBPO/RPA総研

BPO市場に参入している企業は、実に様々な業界から参画しています。BtoBの企業にとっては、従来の単発の受注に比べて、BPOはより長期の安定したビジネスであり、一旦契約が成立すれば、安定的な受託ができるので、各社とも前向きに取り組んでいます。世界のBPO市場と日本のBPO市場はどう異なり、どう共通性があるのでしょうか。残念ながら、BPO業界は先述したように、幅広い業界に及んでいますので、単純な比較はできません。
経済産業省の「平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備」によれば、BPOを労務、経理、情報システムなどの「支援業務BPO」と、コンタクトセンターなどの「直接業務BPO」市場に分類しています。

支援業務BPOはコンタクトセンターや、ヘルプデスク、フルフィルメント、ヘルプデスク、人事・福利厚生、総務、経理などの業務支援を中心としたBPO、直接業務BPOは、購買・調達、営業、コア部門単純作業などが対象になります。

この例でも理解できるように、BPO の業務範囲は非常に広く、企業活動のほとんどの分野が対象になります。BtoBに関わる企業・業界はなんらかの形で参入しています。したがって、市場ランキングも、多様なものが存在します。
世界のBPOランキングでは、皆さんがよくご存知のコンピュータメーカーであるIBMが1位を獲得しています。

IBMは、BPOを2つの視点から定義しています。ひとつは、標準化、業務の効率化によるコスト削減と捉えています。もうひとつが、意思決定に関わる洞察力の提供と言った先進機能の提供です。IBMの得意なロボティックス技術やAI技術を積極的にBPOに活用しようという方向がうかがわれます。
2位にはBPOの世界では定番のインドのTataがランクインしています。不動産サービス会社クシュマン＆ウェークフィールドが毎年ランキングしている地域別の順位レポート（2016年版）では、インドが世界市場の56％、フィリピンが15％のシェアを持っています。

同レポートはこれからの有望市場として、ベトナム、ペルー、リトアニアを上げています。ベトナムはコストの安さと、政府の教育、人材育成が評価されています。

3位にランクインしたのも、インドの世界有数のITコンサルティング会社Infosys社です。Tataと同様、多方面に事業展開していますが、BPOで成長した会社でもあります。4位も同じくインドのIT会社Wipro technologyが入っています。
5位と6位の順位には米国企業が位置しています。5位が米国の多国籍企業Cognizant社、6位にコンタクトセンターやヘルプデスクなどを運営する米国オハイオ州のConvergys社が入りました、同社はその後、コンサルティング会社Concentrix社に買収されています。

7位に日本でもお馴染みのAccenture社がランクインしています。AccentureはIBMと同様、BPOをコスト削減だけでなく、コンサルティング会社のノウハウを活かし、各部門の強化をBPOの目的として捉えています。
日本では、BPOとして一本化したランキングはありませんが、様々な視点からランキングされています。

Suikが設定した、「人材・アウトソーシング」ランキングでは、売上高（2兆1733億8500万円）、営業利益（1917億9400万円）ともリクルートホールディングスが断トツの1位にランキングされています。

2位にパーソナルホールディングス、3位にパソナグループ、4位にトランス・コスモス、5位にアウトソーシングがランクインしています。

通販新聞社の2017年コールセンター売上ランキングでは、1位がトランス・コスモス（266,6億4500万円）、2位がベルシステム24・ホールディングス、3位がりらいあコミュニケーションズとなっています。

トランス・コスモスは中国を中心としたコールセンターやネット通販支援事業、国内のデジタルマーケティングやコールセンターが好調のようです。

また、日経コンピュータの「ITサービス企業の成長性のランキング」（2016/2015）では、りらいあコミュニケーションズが18％の伸びで、2位のソフト・バンクテクノロジー（11.2％）を上回っています。

残念ながら、日本ではBPOをコスト削減の手段としか捉えない傾向にあります。BPOを企業戦略のツールとして理解することによって、新たなランキングリストが生まれてくるのでしょう。

（画像はイメージです）

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