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オフショアよりも近い「ニアショア」とは

2019.01.06

コラム

オフショアよりも近い「ニアショア」とは

ニアショアとオフショア
ニアショアという言葉をご存知ですか。ニアショアはオフショアと対比して使われる場合もあります。オフショアが海外BPOを指すのに対し、ニアショアは主に国内の地方都市などへのBPOを意味します。
ニアショアが注目されるのは、オフショアBPOのコストメリットが下降してきたことや、為替レートの急激な変化、デモや暴動などのカントリーリスク、コミュニケーションの欠如による品質の不安定化などが要因です。

さらに、オフショア開発先進国である中国への発注内容は、ほとんどがプログラミングと単体テスト、詳細設計に限定されており、要件定義や基本設計などの分野の発注はほとんどなされておらず、ここにもニアショア開発の利点があります。
ニアショア人材
オフショアに比べて、言語による障害がなく、コミュニケーション上の問題がないことや、海外の従業員に多い短期労働者が少なく、教育の効果が長続きし、モラルも高いこと、結果として製品やサービスの、品質安定化が保てるのがニアショアの利点です。

ただし、エンジニアの質では、圧倒的に人数の多いオフショア開発が有利ですが、システム環境は、ニアショアの方が同一な環境を設定できるので有利です。また、電力供給やインターネット環境なども、オフショアでは問題がある場合があります。

ニアショア機構の調査によれば、システム開発におけるエンジニア単価は、東京を100とした場合、青森や山形は0.65と割安になっています。オフショアに比べると、単価は高いものの安心感と相殺すると十分元がとれます。

また、マイナンバーといった、全国のシステムに影響を与えるようなプロジェクトが発生した場合、根本的に人材不足になりがちですが、地方の人材を集めることで、乗り切ることも可能になります。
地域活性化とつながるニアショア
ニアショアは、地方の産業振興とも思いが一致するので、地方自治体のバックアップなども期待できます。一般社団法人日本ニアショア機構なども設立され、1000億円とも言われるオフショア開発を日本に呼び戻そうといった動きもあります。

地震や台風など災害の多い日本では、一極集中から、リスク回避の分散型拠点展開を志向する動きもあります。大手企業の場合は、日本全国に事業所や開発拠点を保有していることから、ニアショアを導入しやすい下地を持っています。

また、複数の委託先と連携し、プロジェクトの同時進行もやりやすく、第3者検証と言った場合にも、人材を集めやすく、融通が利きます。

このようなニアショアの育成に向けて、地方自治体が率先して開発言語の普及や、推進を行い、ニアショア機構ではニアショアAWARDといった啓蒙活動も進めています。
ビジネスモデルの変化とニアショア
2000年以降、急激に企業のIT化が進んでいます。AI技術の導入など、従来のビジネスモデルからの脱皮が全ての産業、業界に求められています。このような状況下で、慢性的なエンジニア不足が生じています。

さらに、政府が進める働き方改革は、企業活動の変革を求めており、エンジニアリングリソースを求めて、全国レベルの調達活動が進んでいます。ニアショアはまさにこのようなニーズに最適な解決策の一つです。

ニアショア企業の評判などをチェックすると、企業によっても差があるのでしょうが、有給休暇の取得率など、ちょっと前のシステム会社とは異なった答えを見ることもあります。都会志向、猛烈サラリーマンとは異なる仕事環境も見出せそうです。
まとめ
ニアショア、オフショアの論議については今も結論がでていませんが、オフショアも「人月」の発想から頭脳集団へと変化しつつあります。ニアショアもニアショア同士の交流などを活発にし、市場のニーズを取り込む努力を続けています。

【画像はPAKTASOより)

(画像はイメージです)

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