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業務マニュアルがビジネスプロセスに重要になる

2018.11.21

コラム

業務マニュアルがビジネスプロセスに重要になる

マニュアルとは
マニュアルという言葉を聞くと、なぜか前向きに響かない人も少なくないと思います。それはマニュアル偏重主義、あるいはビジネスの本質を理解していないからかもしれません。
ビジネスの求めるものは、顧客のニーズやウォンツを理解して、最適な商品、サービスを提供することです。もし、顧客の望まない商品やサービスを提供するようになっているとしたら、そのマニュアルには欠陥があると言わざるを得ません。
マニュアルのメリット、デメリット
マニュアルがもし存在しなければ、新人教育は手取り足取り時間と労力を費やすことになります。結果的に人に任されることになりますから、属人的になり、教え方がバラバラになり、サービスの品質にもバラツキが生じます。

反対にマニュアルのメリットは、誰がやっても、一定の品質が保てることです。もちろん、マニュアルには完璧はありません。一定のタイミングで改善し、その時代に合わせた改善を進めて、顧客満足を高める必要があります。

業務マニュアルは業務の継承にも重要です。工場の現場のように、やることが決まっていれば、人員が交代しても、すぐに教育することができますが、現代のオフィスワークの場合、課題が多すぎて、隣の人の業務を全部理解している人がいないのが現状です。
マニュアルとBPM
業務マニュアルがしっかり作成されていれば、このような場合にも業務の継承がスムーズに進みますし、新しい視点から、必要な業務と、不要な業務を判別することもできます。人材の流動化やビジネスの流れが速い時代には、「見える化」が大事な要素になってきています。

さて、このように考えると、顧客志向であること、PDCAにより改善を進めるなど、BPMの考え方と似ているとは思いませんか?実際、マニュアルはビジネスプロセス文書の「プロセス実施手順書」として有効活用され、注目もされています。
使われるマニュアルへ
改善活動やISO14001、プライバシーマークなどの申請をする度に、やたら文書の提出を求められ、文書作りのためにコンサルタントを雇って、形ばかりの文書作りに翻弄されることがよくあります。

自分達で作っていないので、2年に1回の審査の時だけしか文書を見ることもない、本末転倒の状況におちいることが多いと思います。

現場にとって好ましいのは、書類が複数存在しないことです。その点、業務マニュアルをビジネスプロセス実施手順書と位置付けて、改善活動に利用することは、理にかなっています。

BPMで利用されるプロセス俯瞰図やプロセス設計文書は、プロセス構築のためには有効ですが、現場の人達にとって必要不可欠のものではありません。現場の視点に立って、業務をシンプルに、わかりやすくしていくことが求められています。
マニュアルを通して改善を進める
マニュアルを作れば、それで終わりという時代ではありません。定期的にビジネス環境の変化に合わせて、マニュアルを見直し、改善を続けることが大切です。マニュアルは利用価値が無くなれば、棚に置かれたままになってしまいます。

マニュアルが活用されない要因としてよく上げられるのは、「マニュアルが実態に即していない」、「現場の意見がすぐに反映されない」という2点に集約されます。そしてベテランがいる部署では、業務を知り尽くしているという自信が過信に繫がり、マニュアルが軽視されます。
BPMと哲学
BPMという観点から、マニュアルを常に見直し、改善していく体制ができてくれば、このような課題も解決していきます。また、現場の意見を積極的に採用していく体制も必要でしょう。ディズニーランドにはマニュアルがないと言われます。哲学を理解してもらい、モチベーションや柔軟性を育て上げています。

BPMにとって哲学は、お客様の満足を高めていくことです。業務マニュアルも究極の目的はお客様満足であり、業務の品質、効率を上げていくために、常にPDCAを回し、上位のビジネスプロセス文書との整合性を積み重ねていくことにあります。

(画像はイメージです)

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