コアな業務 具体的にはどんな業務?
企業活動において利益を高めるために、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を導入する事例が増えていますが、BPOの導入効果を高めるためには、「主業務」と「主業務をサポートする業務」を分けることがポイントとなります。
主業務は「コア業務」と呼ばれることがありますが、コア業務とは具体的にはどのような業務を指すのでしょうか。コア業務の特徴について理解を深めていきましょう。
直接的に利益を生む業務
コア業務の特徴としてあげられることは、「直接的に利益を生む業務」であることです。
直接的に利益を生む業務の例としては、新商品や新サービスを企画・開発する業務や、営業活動に関する業務などがあげられます。
上記の業務に共通する特徴は、業務を行うことで利益が見込めることですが、逆の見方をすれば、これらの業務を行わなければ、利益が得られなくなると言えます。
企業の利益を高めるためにも、これらの業務は優先的に行われるべきですが、近年は労働力不足に拍車がかかっていることもあり、人員が少ない状態でこれらの業務を行っているケースも少なくありません。
そのため、直接的に利益を生む業務については、人員を厚くすることが経営戦略において有効と言えます。
専門的な判断が必要となる業務
また、コア業務の特徴としては「専門的な判断を必要とすること」があげられます。
例えば、新商品を企画・開発するためには、「顧客はどんな商品を求めているのか」ということを知るために、マーケティング能力が求められます。また、良質な商品を開発するためには、商品に関する深い見識が必要となります。
さらに、商品の発売が決定したら営業活動によって商品の認知度を高めていく必要がありますが、営業活動の経験を踏むことにより、「どのような営業が最も効果的か」という判断も下せるようになります。
このことから、コア業務の多くには、専門的な判断が求められることが分かります。
専門的な見地から適切な判断を下せるようになるためには、長年の経験を必要とします。
コア業務に熟知した人材を育てるためには時間がかかることから、コア業務への人員配置に重点を置くことは、長期的な視点で見た場合、企業の売上向上につながりやすいと言えるのです。
定型的ではない業務
そのほか、コア業務の特徴は「定型的ではない業務」である点です。
例えば、新商品を開発する場合は、知恵を振り絞り、毎回異なる商品を開発しなければなりません。マーケティング活動で市場を分析したうえで、豊かな発想力を駆使しながら新たな商品を世に生み出さなければ、売上につなげることは困難と言えます。
さらに、営業活動においても、「どのような層にアプローチするのが最も効果的か」ということや、「効率的な営業を行うためには、どのような方法で行えば良いか」というように、売上を高めるための営業活動は、販売する商品によって異なります。
そのため、営業においては、毎回同じ手法が通用せず、オリジナルの手法でアプローチすることが求められます。
これらの業務は非定型的であることから、適切な業務が行えるようになるためには、日々試行錯誤を繰り返し、時には失敗を乗り越えながらノウハウを獲得していかなければなりません。
見方を変えれば、このような業務こそ、自社の社員が行うべきと言えるでしょう。
BPOを活用するためには、コア業務とコアではない業務を仕分けることが必要となります。
売上に直結する業務は、長年のノウハウが必要となるので、コア業務に対しては重点的な人材育成を行い、コアではない業務に対してはBPOを活用し、思い切ってアウトソーシングを行う、という戦略が有効ではないでしょうか。
(画像はぱくたそより)