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次世代BPOへの備えや対応

2019.01.23

コラム

次世代BPOへの備えや対応

創成期のBPO
BPOは時代背景の中で、少しずつ変化してきています。BPOプレイヤーとしても良く知られているアクセンチュアは次のようにBPOの歴史を整理しています。
1990年代、最初のBPOの目的は、「コスト削減」と「コア事業へのシフト」でした。企業の中で、ノンコア事業を切り出し、より安価なコストで受注可能な受託企業を見つけて、アウトソーシングしていきました。これが第1世代のBPOです。

次に、第1世代のBPOに比較して、より安価なアウトソーシングを目指すために、海外へのオフショアBPOの活用が始まり、グローバルデリバリーが進みました。

そして、企業はそれまでの実績を踏まえて、より広い事業分野のアウトソーシングに舵を切っていきました。これが第2世代、第3世代のBPOです。

結果として、アウトソーシングデリバリーにおけるエンジニアリング化や、プロセス効率化などが重視され、ある意味ではBPOが企業の当たり前の施策として浸透し、活用されるようになりました。
次世代BPO
そして、2010年以降、現代の経営者は次世代のBPOに対する期待を、さらに広い視点にフォーカスするようになっています。具体的には「コスト削減」に加えて「イノベーション」に期待をするようになりました。

BPOを進める上で、クライアントとの長期間のやりとりを蓄積し、アナリティクスを導入することで、緊急の課題やビジネステーマを抽出し、既存のBPOに付加したり、修正することで、BPOのイノベーションを引き出しています。

結果的に、製品やサービスの早期市場導入や、顧客ロイヤルティの向上、顧客対応時間の短縮、人材の有効活用などを実現し、売り上げや利益の拡大をもたらしています。
ITテクノロジーの活用
今までのBPOは独自のシステムと専用のソフトウェアが主流でしたが、クラウド技術やモバイル技術の進歩、そして業務の標準化や体系化を進め、Saasのような、シングルシステム、マルチクライアントな環境が実現できるようになりつつあります。

このような環境の実現により、BPOプレイヤーはインタネットを通じて、柔軟なソフトウェアプラットホームを確立し、複数のクライアントに対して、オンデマンドでサービスを提供できるようになり、効率化を図ることができます。

IBMはクラウドベースで、システムとオペレーションをオンデマンドで提供するBpaaS(Business Process as a service)を提唱し、多くの分野、種類のBPOを進めています。

さらにアクセンチュアは、次世代BPOの進化に向けて、BPOプレイヤーのスタッフやクライアントをつなげるソーシャルネットワークがプラットホームとなって、これからのBPOの重要な役割を担うと考えています。
経営ポリシーとしてのBPO
現代のBPOに対する期待は、経営課題の中でも非常に大きくなっています。しかし、企業にはそれまでに培った多くのノウハウ、資源、長所が存在します。シャープは2019年に白物家電を生産する八尾工場を閉鎖し、海外に生産を移す決定をしました。

白物家電の場合、原価をはじくと、重量の重いものは国内生産をした方が価格的にも有利ですが、載会長兼社長はシャープをAppleのような生産工場を持たず、アイデアと技術で勝負する企業を目指し、今回のような決断をしました。

世界のトップ企業に生産工場を持つ会社はないという、載会長兼社長の経営ポリシーにも通じる考え方で、BPOという手段が今や経営ポリシーの中に位置ずけられているのがわかります。モノ造りに志向してきた日本企業の転換期になる発想かもしれません。

(画像はイメージです)

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