BPOの関連で「アウトタスキング」も理解しよう
BPOとは、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」という意味であることから、「BPOといえばアウトソーシング」というイメージが強いのではないでしょうか。
ここで注目しておきたいことは、アウトソーシングに関連する言葉として「アウトタスキング」という言葉がある点です。アウトタスキングとはどのような意味を指す言葉で、どのような場合に有効なのでしょうか。詳しく調べていくことにしましょう。
アウトソーシングとアウトタスキング どんな意味?
アウトソーシングとは「業務を外部に委託すること」を意味します。また、アウトタスキングも、業務を外部の企業に委託するという意味で使われています。そのため、アウトタスキングはアウトソーシングの一形態といえるでしょう。
それぞれの単語について詳しくみていくと、アウトソーシングは業務の企画・立案、管理、運用など、全ての業務を外部に委託することを指します。
一方、アウトタスキングは、アウトソーシングのように全面的に業務を委託するのではなく、業務の処理や運用など、大きな責任を伴わない業務の委託が中心となります。
業務の企画・立案、全体的な管理など、大きな責任を伴う業務については委託せず、委託する側の企業が行うことが基本です。
アウトソーシングとアウトタスキングを使い分けるとすれば、「どちらの企業が高い専門性を持っているか」という観点がポイントとなります。
アウトソーシング先の企業が高い専門性を有している場合、全面的に業務を委託する「アウトソーシング」が有効といえるでしょう。また、アウトソーシング先の企業が、業務処理能力は高くても、企画立案能力が低い場合は、自社で企画・立案を行った方が効率的といえます。
アウトタスキングが中小企業に適している理由は?
アウトソーシングは、コスト削減や人手不足の問題を解決するために行われることが多いですが、これらの問題は企業の大小を問わないことから、大企業だけでなく、中小企業もアウトソーシングを活用している事例が多くみられます。
なお、中小企業においては、「アウトソーシング」ではなく、「アウトタスキング」の方が有効とされています。その理由は、少ないリソースで企業を運営していることと関係しています。
企業運営においては、事業の企画・立案と事業の運営や処理を一括的に行うことが理想的といえますが、近年は人手不足が深刻化していることもあり、必要人員を十分に確保できないケースも見受けられます。
そのような場合、企業においては事業の企画・立案に専念することを優先すべきでしょう。なぜなら、事業の運営や処理は、マニュアル化されていれば誰でも処理できますが、事業の企画・運営は、その企業でなければできない仕事であるためです。
このことから、中小企業において人手不足の状況に見舞われている場合、業務の一部を委託するアウトタスキングが有効となります。
中小企業こそ、アウトタスキングが有効
そのほか、中小企業がアウトタスキングを利用すべき理由としては、中小企業においては業務を全面的に委託する「アウトソーシング」が適していないことがあげられます。
なぜなら、中小企業が事業の企画・立案も含めた業務まで全面的に委託してしまうと、企業の運営を行っているのが中小企業ではなく、アウトソーシング先の企業が企業運営を行っている状態となってしまうためです。この状態では、企業が存在している意義が見いだせなくなってしまいます。
中小企業の場合「企業が主体的に行動する」という観点からみれば、全面的にアウトソーシングをするよりも、事業の企画・立案など、重要な業務に関しては企業側で責任を持って行うことが、企業の運営において重要といえるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)
BPO総研
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