導入によって業務の効率化が期待できるBPO
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用すると業務の効率化が期待できることから、BPOを導入する企業は増加の傾向にありますが、BPOを導入する背景の一つに「デジタル化の進展」があげられます。
デジタル化の進展とBPOの導入にはどのような関係があるのでしょうか。詳しく調べていくことにしましょう。
企業におけるデジタル化の現状について
はじめに、企業におけるビジネスのデジタル化に関するデータについてみていくことにしましょう。
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会は2018年2月に「企業IT情報調査2018」(以下、同調査)の調査結果を発表しました。
同調査においては「ビジネスのデジタル化」に関する項目がありますが、その結果を参照すると、2017年度においてビジネスのデジタル化を実施している企業は、全体で見た場合20.9%にとどまっています。
しかしながら、ビジネスのデジタル化は大企業ほど取り組んでいる傾向が見られ、売上高が1000億円以上1兆円未満の企業は35.2%、売上高が1兆円以上の企業は71.7%に達しています。
参考:日本情報システム。ユーザー協会「企業IT情報調査2018」
http://www.juas.or.jp/cms/media/2018/02/it18_digital.pdf大企業ほどデジタル化を進めている背景としては、業務の効率化や人手不足への対応などが考えられますが、そのほか、企業が取り扱うあらゆるデータの量が増加し、マンパワーだけでは対応しきれなくなっていることも考えられます。
デジタル化を推進することによって業務の効率化が期待できますが、企業の業務改革を抜本的に実施するのであれば、デジタル化の実施とともにBPOの活用が有効と言えます。
その理由は、デジタル化による業務処理速度の向上と、BPOを活用した業務の外部委託によって、業務の効率化の面において相乗効果が期待できるためです。
つまり、デジタル化と同時にBPOを導入すれば、業務の改革が実現しやすくなると言えるのです。
アウトソーシング分野における今後の進展について
また、BPOに関連して、アウトソーシング分野における今後の進展についてもみていくことにしましょう。
これまで、企業がアウトソーシングを利用してきた理由の一つとして、「コストの削減」がありました。つまり、企業は自社内で業務を行うよりも、よりコストが下げられるアウトソーシングを行うことで業務の効率化を見込んできたわけです。
しかし、業務を請け負うアウトソーシング企業としては、低い単価で業務を請け負い続けると、利益を上げにくい体質となる懸念があります。そのような状況から脱却するために、アウトソーシング企業は業務の高付加価値化を目指してきました。
例えば、付加価値の高いアウトソーシングの形としては、事務的な業務を請け負う場合に、事務的な業務の多くが自動化される「RPA」を導入し、業務の正確性を高めつつ、迅速化を図ることがあげられます。
アウトソーシングで高度な業務を請け負うことができれば、単価を上げられるため、アウトソーシング企業は利益を確保しやすい体質となりやすいのです。
また、世界のアウトソーシング業界に目を向けてみると、業務の高付加価値化や高価格化が進む傾向が見られ、言わば「ハイエンド化」が進んでいる状況と言えます。
このことは、見方を変えれば、今後は高度な業務のアウトソーシングを行うケースが増えると見込まれます。
企業環境が変化し続けている中で、企業が今後も生き残っていくためには、主力となる事業に注力することが大切ですが、それを実現するためにも、BPOを有効に活用し、適切にアウトソーシングを行うことが、これからの時代には求められるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)