労働力人口は、今後も減少が続く見通し
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、主にルーチン系の業務を一括的にアウトソーシングできることから、BPOのサービスを利用することで企業経営の合理化が期待されています。
特にBPOの利用が増加しているのは近年のことではありますが、その理由としては、企業における人材不足があげられるようです。BPOの利用が増加している背景について調べていくことにしましょう。
BPOのサービスを利用する理由とは?
はじめに、企業がBPOを利用している理由について調べるために、総合的なアウトソーシング事業を展開する「NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社」の調査結果を参照します。
同社は、2017年2月下旬に「アウトソーシングのイメージや効果」をテーマとした調査を実施しましたが、同調査の項目、「アウトソーシングを検討したきっかけ」という問いの中で最も多かった回答は「業務効率化」でしたが、2番目に多かった回答は「人手不足」となりました。
なお、同社は2014年にも同様の調査を実施しましたが、2014年の調査においては「人手不足」という項目がなく、人手不足の内容に近い選択肢である「担当者退職・異動」は4位にとどまっていました。
参考:
NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社
https://www.noc-net.co.jp/blog/2017/03/column_206/BPOは、業務の効率化を目指して導入されるケースが多いようにもみえますが、近年は、多くの企業で人材不足に拍車がかかっていることもあり、人材不足の対策としてBPOを利用するケースが多いことが分かります。
人材不足で人員を増やせない業務は、BPOで解決
人材不足の場合にBPOを利用するメリットとしては、人を割くことができなかった業務であっても、BPO契約をすることによって業務を委託できることです。
例えば、ある企業において、売上アップを目指して主力となる部署に人員を多く配置したとしましょう。すると、経理の業務や総務の業務など、ルーチン系の業務に人員を割けなくなることがあります。
企業としては、主力の部門に人員を優先して割きたくなるのは分かりますが、ルーチン系の業務をおろそかにしてしまうと、企業の運営が成り立たなくなってしまいます。
そこで注目したいのが、BPOを有効に活用することなのです。
BPOを活用すれば、アウトソーシングした業務において高品質の業務が期待できるほか、アウトソーシングを行うことによって、主力業務に注力することが可能となるため、企業を効率的に運営しやすくなるのです。
BPOを導入すれば、人材募集の手間が不要に
そのほか、BPOを導入するメリットとしては、人材を募集する手間が省けることです。
企業が人材不足の状況であるならば、人員を募集する必要がありますが、近年は人材不足に拍車がかかっていることもあり、思うように人員が募集できない状況となっています。
しかし、BPOのサービスを利用すれば、自社の業務をアウトソーシングできるために、人員を募集する必要がなくなります。人材不足のご時世で人員を募集する手間を省ければ、その効果は大きいと言えるでしょう。
また、企業が業務を拡大する場合、人員確保だけでなく、設備の導入もしなければなりません。新たな設備を導入すると、その分コストがかかることになってしまいます。
もし、拡大しようとしていた業務をアウトソーシングすることができれば、人員の確保だけでなく、設備の導入も不要となるため、全体的にみればコストを抑えることが可能となるのです。
日本では、少子高齢化が進んでいますが、それに伴って今後は労働力不足が深刻化するものとみられています。BPOを導入することで、少ない人員で企業の運営が可能となることから、今後はBPOを導入する企業がさらに増えていくのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)