企業経営において重要なことは「戦略性」
BPOのサービスを利用することによって、合理的な企業経営が実現しやすくなりますが、より一層の合理的経営を実現するためには、BPOの戦略的な活用が効果的です。
BPOを戦略的に活用することを「戦略的BPO」と呼ぶことがありますが、戦略的BPOとは、具体的にはどのような内容を指すのでしょうか。企業の業績を向上させるためにも、戦略的BPOについて理解しておきましょう。
戦略的BPOとは?
戦略的BPOについて具体的に説明すると、企業の経営戦略を実現するために、戦略的にアウトソーシングを行うことを指します。
企業の経営戦略について一例をあげると、自社の主要業務である「コア業務」に人員や資金などの経営資源を集中させ、業績の向上を図ることとなります。
その一方、企業によっては、単なるコスト削減のように必ずしも戦略的とは言えない状況でBPOを導入する場合があります。
コスト削減のように、戦略性が薄い内容であったとしても、一定の目的があれば、BPOを導入しても問題がないようにも感じられます。それにもかかわらず、なぜ、BPOの導入においては戦略性を持つことが重要と言えるのでしょうか。
その理由は、戦略性を持つことによって、より広い視野で物事をとらえることができるためです。
つまり、戦略性を持つことができれば、目の前の単純な問題を解決できることはもちろんのこと、長期的な視点に立ち、将来的に起こり得る問題の発生を事前に防ぐことも可能となります。
例えば、自社内において、現状は人手不足の影響をさほど受けていないとしても、長期的には労働力不足が予測されることから、先手を打ってBPOを導入し、将来の労働力不足に備えることもできるでしょう。
このことから、BPOを活用する場合には、戦略的BPOを取り入れることが重要と言えるのです。
日本では戦略的BPOに対する意識が低い傾向に
しかしながら、日本においては戦略的BPOに対する意識が低い傾向が見られます。
その理由としては、BPOを活用するメリットを見いだしていないことがあげられます。そもそも、BPOを効果的に利用するためには、自社の問題点を把握しておかなければなりません。
例えば、単にコストの削減を図るためにBPOを導入するよりも、「売上が伸び悩んでいる」という問題を解決するために、BPOを導入して、自社の重要な業務に経営資源を集中させ、売上アップを図れば、BPOの導入効果が期待しやすくなります。
そのほか、BPOの導入に対してデメリットを持っていることも、戦略的BPOに対する意識の低さにつながりやすくなってしまいます。
例えば、BPO導入のデメリットとしては、従業員の立場から見た場合に、自分の業務がなくなるという不安を持ってしまう点です。
従業員が不安な状態であれば、質の高い作業が期待しにくくなってしまい、日常的な業務に支障が出てしまうことも考えられます。
従業員の不安を取り除くためには、BPOを導入するメリットを従業員に対して説明する必要があります。
例えば、「BPOを導入する理由は主力業務の人員不足を解決するためであり、皆さんにはぜひ、主力部門の戦力となっていただきたい」と説明する方法もあるでしょう。
戦略的BPOを適切に活用するためには、企業経営に戦略性を持たせることが重要であると理解できたのではないでしょうか。戦略性を持った企業経営を行うためには、常に企業経営における問題意識を持つことが必要です。
企業環境は日々変化を遂げていますが、その変化に対応するためのツールとして戦略的にBPOを活用することが、BPOの賢い利用法と言えるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)