お客様と研究開発のKPI
KPIの指数は多岐にわたるため、1回では説明しきれません。今回は「お客様に関する指標」と「研究開発」に関する指標について解説したいと思います。
(画像はイメージです)
「お客様に関する指標」は企業にとって重要な指標になりますが、消費財メーカーや流通、サービス業にとって、特に大切なマーケティング関連のKPI指標となります。
さらに、WEBマーケティングの分野では、インターネットを通じて、ダイレクトに情報が取れるので、まさにKPIの設定とPDCAサイクルの回転がダイナミックに行われています。
お客様に関する指標としては、営業関連、市場動向、顧客満足などの指標が使われます。コンビニなどでは購入者の顧客の属性などを把握して販売予測などを立てています。バランススコアーカードでも、顧客の視点の重要性を示しています。
お客様に関する指標
営業指標お客様に関する情報の中でも、オペレーションプロセスに関わる営業指標は、企業の損益とも直接連動する重要指標です。具体的には受注金額や平均受注単価、問い合わせ件数やコンタクト件数、新規得意先件数、商談件数などがあげられます。
「営業は人なり」といわれ、評価面でも長く属人的な要素が多く占めていましたが、モバイル端末の普及などにより、営業の「見える化」が進んできました。
営業の機能は基本的にはシンプルで、各プロセスに分解できるので、プロセス毎の課題の抽出や、後工程にうまくリンクしていない前工程を発見することで、プロセス改善を進めることができます。
また、従来営業個人に蓄積してきた顧客情報を、営業間やスタッフ部門と連携させることで、営業活動は飛躍的にスピードアップし、質の向上を図ることができます。
外食産業やサービス産業では、来店者数や売上高、平均購入単価、平均接触時間、来店動機、問い合わせ件数、回転率、店舗別、エリア別の各項目指標などが指標になります。
市場動向指標顧客データや市場データは、顧客のターゲッティング化や、市場細分化のための貴重な情報になります。商品やサービスの認知度や、ブランドイメージの把握によって、販売戦略の見直しや、キャンペーンの設定などを行います。
新製品や新サービスの開発には市場データが不可欠です。マクロ分析をはじめ、顧客動向、既存品への不満や、ニーズ分析、新技術に対する反応、テストマーケティングの結果などが活用されます。
顧客満足指標顧客満足は近年企業経営の重要な指標になりつつあります。単にアンケートを採るだけでなく、最近はその結果を各部門で共有し、顧客へのアクションや、課題の抽出などを行います。結果を広告や販促物で積極的にフィードバックし、イメージアップとプロセス改善を繫げます。
カスタマーサポート部門では、待ち時間や着信数、処理対応時間、サポート満足度、問い合わせやクレーム件数、解約件数などを指標として使います。
研究開発の指標
サポートプロセスの代表でもある研究開発におけるKPIは、新製品開発数や売上・利益貢献度、特許・実用新案などの登録数、論文掲載数などがあげられます。
研究開発のように見えにくいものに関しては、社内制度として研究開発実績を、コスト計算したりして、指数化、数値化して可視化することもあります。
デジタルマーケティングのKPI
デジタル技術が導入され、マーケティングにおけるKPIが大きく変わるかもしれません。アナログ時代のマーケティングは広告効果や購入行動を、視聴率やRFM(Decency, Frequency and Monetary)といった限られた指標でしか測定することができませんでした。
しかし、IT技術が進み、今日ではオンライン系であれば、無数のデータが取得できるというメリットがあるものの、PV(ページビュー)やCPA(顧客獲得率)など、あまりにも指標が多いので、指標が本来のKGIのゴールに結びついていないという状況も見え隠れします。
まとめ
KPI指標は、ゴール達成のために何が必要なのかを提供します。KPIを戦略的に活用することによって、目標達成のための真直度の把握、施策の有効性の判定、課題やボトルネックの発券などが進みます。さらに、組織やチームによる課題の共有化や、構成員のマインドアップなどを実現することができます。
(画像はPAKUTASOより)