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実は市場は大きい、インドのBPOサービス

2018.11.07

コラム

実は市場は大きい、インドのBPOサービス

BPOビジネスのリードオフマン
BPO産業が大きく成長したのは、IT技術が発展した1990年代以降です。インドのBPO関連輸出額は99年の5.6億ドルから、2014年には約40倍の227億ドルに達しています。参考元:https://www.asiax.biz/biz/893/
インドのBPOの大多数は米国、欧州の英語圏を中心に展開され、米国のIT企業の成長や競争力に大いに貢献しました。

インドのBPOは、世界で7割のシェアを持ち、グルガオンやニューデリーなどのインド主要都市を中心に展開されています。

インドのBPOに関わるベンダー企業は300社以上で、IBM、アクセンチュアなどの多国籍企業や、地元のソフトウェア企業もこの分野に参入しています。その中で残念ながら、日本のポジションはほとんどありません。
インドBPOの成長要因
インドのBPOの発展要因はなんといってもコストの安さです。オフショア開発に比べて、非IT系のBPO はコンピュータの特別な知識を必要とせず、英語という彼らの母国語を活用できるので、市場参入もしやすく、雇用にも貢献することから歓迎されています。

米国とインドの時間差は、丁度10時間から12時間なので、24時間を効率的に活用するために丁度良い位置関係にあります。以前、ソニーの盛田会長が、米国と日本の時間差を上手く活用して、国際的な契約交渉で優位なポジションを得ていたという話を思い出します。
高付加価値BPOへのシフト
インドのBPOは現在定型的な業務から業態を変化させ、高付加価値BPOが増加しています。

コンサルティング会社からの企業決算、法律・財務、法務・特許、医療事務などの業務が増加しています。KPO(ナレッジプロセスアウトソーシング)と呼ばれる弁護士や会計士などの専門職のBPOも注目され、BPOサービスの幅が拡がっています。

クレジットカードの業務でも、単純なデータ入力だけでなく、信用調査や、不正の調査などの業務に領域を拡大して、受託業務の幅を拡大しています。メディア分野でも、ロイターがデータセンターをバンガローに設置するなど、引き続き欧米の需要を拡大しています。
シェアードサービスのBPO化
インドのBPOベンダーは2007年にオランダフィリップスのシェアードサービス会社を買収、同じく米シティーグループのシェアードサービス会社も買収し、BPO 業務を拡大しています。

インドはBPO事業をより高次なビジネスに拡大し、顧客企業はそのビジネスをコア業務に集中させつつあります。

アウトソーシングで有名なP&Gは製品や技術を外部から調達するだけでなく、人事・総務部門の仕事をIBMやヒューレットパッカードに委託しています。同時にシェアードサービス化を進め、500億円以上のコスト削減を実現したこともあります。
参考元:
http://www.tku.ac.jp/kiyou/contents/administration/270/143sekiguchi.pdf

インドBPOと日本
インドのBPO市場のほとんどが欧米市場であることから、BPO ベンダーも新たな市場開拓の必要性を感じており、その重要な市場ターゲットが日本です。

BPOベンダーの世界2位であるInfosys technologies社は、日本向け売り上げを拡大するために、日本ユニシスと業務提携をしました。

また有力ベンダーであるタタ・コンサルタンシー・サービスは日本専従のビジネスエンジニアを増員するとともに、現地の大学と連携して日本語教育のレベルアップを進めています。インドBPO 市場にとって、日本は絶好のターゲットになっています。
変化は継続
ただ全てがアウトソーシング化かといえば、実は相反する動きもあります。JPモルガンは、アウトソーシングからインソーシングへ方向を転換しています。そう意味で、BPOもまた見直される時期が来るのかもしれません。

アナリストの分析によればインドのBPO は2018年以降も7%以上の成長率を示すだろうと予想しています。そういう意味で、インドのBPO がどう変化していくかが注目されます。

今回はBPO先進国であるインドのBPOを解説しました。日本の企業とこれからどう関わっていくかも注目されます。

(画像は写真素材足成より)

(画像はイメージです)

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