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「BPR」とはどういうこと?

2018.10.06

コラム

「BPR」とはどういうこと?

全てを破壊せよ
マイケル・ハマーが提唱したBPR(Business Process Re-engineering)は、“全てを破壊せよ”というハマーの有名な掛け声とともに、1990年のハーバード・ビジネス・レビューの記事として登場しました。
BPRはQC的な業務改善とは異なり、全てのビジネスプロセスを見直し、企業の抜本的な改革を目指します。徹底的な顧客志向を目指し、管理志向から現場に権限を移譲し、情報システムを徹底的に活用する考え方です。

90年代米国企業のコングロマリット化に伴って、組織の拡大、企業ルールの複雑化が進みました。このような状況をそのままにしてITシステムを導入して、業務の改善を進めても、問題は解決しません。抜本的なビジネスプロセスの改革がBPRでした。
業務改善と業務改革
業務改善は業務プロセスを顧客志向の観点で、人、モノ、金、情報を見直して、ムリ、無駄を省くことで改善を進めていきます。フローチャートやモデリングの手法などを使い、プロセスを細分化しながら改善を進めていくので、細かな視点で踏み込むことができます。

一方、BPRは業務プロセス自体を抜本的に見直し、企画、開発、製造、販売、人事、購買などのプロセスを、顧客志向で設計していきます。 業務改善がボトムアップ型であれば、業務改革はトップダウン型のアプローチともいます。
BPRで使われる手法
BPRの経営手法としてよく使われるのが、BPO(Business Process Outsourcing)やシェアードサービスです。

BPOは企業内のビジネスプロセスを外部企業にまるごと委託するもので、日本でもこのところ需要が拡大しています。 日本のBPOサービス市場規模はIDC japanによれば、2017年7346億円で、年平均3.6%の成長をしています。

BPOの良いところは、コアビジネスに人材や資金を集中することができる点です。また、地域や国を超えて展開することもできるので、コスト削減や専門知識を活かすこともできます。

新聞社の印刷部門の分離や、コールセンター、総務労務、経理、IT系などで活用されていますが、海外では医療分野のような専門領域でも使われています。

シェアードサービスは企業グループなどで、共通業務を行っている部門を統合して、効率化や影響力を高める手法です。人事、労務、経理、情報システムなどのスタッフ部門でよく利用されます。購買などでは、調達ボリュームの拡大で、調達先への影響力を拡大し、より有利な条件を引き出します。

BPRとセットで紹介されるのが、ERP(Enterprise Resource Planning)です。財務、購買、営業、マーケティングなどの、企業のコアプロセスをサポートする情報システムで、ERPベンダーは、システムを導入するためのツールとして積極的にBPRを活用しています。
変化のきざし
BPRの導入が90年代であったことで、日本はちょうど「バブル崩壊」や「失われた10年」に遭遇しました。このため、BPRとしての成功事例は残念ながら、あまり見かけません。しかし、ここへきて大きな変化が生まれつつあります。

第1に日本企業の業績が好調なことです。内部留保が拡大し、企業としての新たな施策に乗り出す余力ができつつあることです。第2にグローバル化の進展です。米国のトランプ政権の動きはありますが、世界の潮流はグローバル化を目指しています。

そして3番目は働き方改革です。超老齢化社会を迎え、労働力不足と、年金財政の危機の中で、高齢者の働く場所の確保などが求められています。このような時代を勝ち抜くために、企業のカタチや、仕事のあり方の再考が求められています。
まとめ
BPRを成功に導くためには、日本企業の意思決定プロセスの変革が不可欠です。欧米企業に比べて意思決定スピードの遅さが、企業のダイナミズムを削いでいます。

日本の取締役の大多数は部門の代表者で、取締役になっても根っこから離れようとしません。本来の取締役としての機能を果たしていけば、意思決定のスピードも向上し、BPRの精神も活きてきます。

(画像はPAKUTASOより)

(画像はイメージです)

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