BPOビジネスコンサルタントとは
BPOビジネスコンサルタントという言葉は、一般に定着したものではありませんが、コンサルティング会社のドメインであるコンサルティングビジネスに、BPOを融合させたビジネスアイテムとして提唱されています。同じようにBPOの進化系として戦略的BPOといった用語も使われています。
BPOビジネスコンサルタントの役割は、定形的なBPOの受託だけでなく、そこから収集されるマーケティングデータをベースにしたマーケティング戦略の提案や、ビジネスプロセス管理をベースにしたBPR(Business Process Re-structuring)の提案など、マネージメントパートナーとして、受託企業の業績向上や機能向上に専門的な知識で働きかけます。
また、海外で盛んなシェアードサービスや業界横断型のBPOなどを取り込み、企業改革を推進するポジショニングを目指しています。
コンサルティングビジネスの分類
コンサルティングビジネスには、いくつかのタイプ分けができます。マッキンゼーやボストンコンサルティングのような、主に戦略領域を対象にしたコンサルティングファーム。アクセンチュアなど、戦略系から人事・業務系まで幅広い業務をサポートする総合コンサルティングファーム。
野村総研に代表されるシンクタンク系(とは言っても情報処理ビジネスの比重が高い)、IT系やERP(Enterprise Resources Planning)の導入をサポートするIT系、人事・組織を得意とする人事系、中小企業を主なターゲットとするコンサルティング企業などが存在します。
BPOビジネスコンサルタントは、主に規模の大きい総合コンサルティングファームが中心になっています。
総合コンサルティングファームは、ここへきてビジネスモデルが急激に変化をしています。従来の戦略系コンサルティングの比率は少なくなり、IT技術の導入支援やシステム導入などの実行業務が多くなる中で、BPOビジネスコンサルタントというビジネスモデルが出現してきています。
BPOビジネスコンサルティングの機能
BPOビジネスコンサルティングの仕事は多岐にわたるので、いわゆるプロジェクト形式の運営になります。基本的な役割・機能は以下の4つに分類されます。
Sales(営業)対得意先窓口として、問題解決のための調査・分析、プロジェクトの基本枠組みや計画の提案・設計、契約にいたるまでの業務を担当します。
Solution Architect(企画)Salesと連携し、具体的なソリューション提案の策定を担当します。顧客企業の関連部門との調整や交渉、承認取得や契約作業などを行います。IT会社のSE的な役割を持っています。
Mobilization(運営)既存の機能からアウトソーシングへの移行に関する、移行計画からサービスのための組織構築、運用まで、顧客企業の関連部門と連携しながら、推進します。スケジュール、予算、品質などに責任を持ちます。
Account Management (事業責任者)プロジェクト全体の責任者。サービス品質と財務面での責任を持つとともに、顧客企業へのサービスの改善などを提案、実施する。
まとめ
今までのBPOがどちらかというと単純作業中心のアウトソーシングでしたが、IT技術の進展により、欧米のKPO(Knowledge Process Outsourcing)のように、より専門的な人材や業務をアウトソースするようになってきました。
BPOベンダーサイドもより高度なビジネスを受託することによって、多様化・複雑化しつつある顧客企業のノウハウ・情報を取得できることで、顧客企業とより関係式を深めることができ、ビジネス上のメリットが拡大します。BPOビジネスコンサルタントもこのような動きの中で進められています。
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