メリットのみならず、デメリットも事前に把握
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のように、新たなサービスにおいてはメリットが前面に出ることが多いですが、新たなサービスの利用においては、メリットのみならず、デメリットについても把握しておきたいところです。
特に、BPOを利用した場合に発生しやすい問題点に注目しながら、BPOのデメリットについて調べていくことにしましょう。
業務に対する認識が低下しやすい
BPOを利用するデメリットとしては、業務に対する認識が低下しやすいことがあげられます。
具体的に説明すると、BPOにおいては業務の一括的なアウトソーシングを行いますが、業務を全面的にアウトソーサーに依頼することにより、自社内では、アウトソーシングした業務については認識が低下しやすくなる、ということです。
業務のアウトソーシングを行うメリットは、自社の主力事業に集中できることですが、その反面、アウトソーシングを行った業務についてはアウトソーサーに一任しているため、自社内では、その業務の内容が把握できなくなることがあるのです。
その際に問題となりやすいことは、アウトソーサーが納品した内容に誤りがあった場合、自社で誤りを修正することが困難となる点です。
また、誤りがあることに気がつけば対処が可能ですが、場合によっては、誤りがあることにすら気がつかないことも考えられます。
自社の業務をアウトソーサーに依頼する場合は、ミスが発生しないように念入りなチェックを実施しているなど、信頼の置ける企業を選ぶことがポイントとなります。
情報流出の懸念がある
また、BPOを利用するデメリットとしては、情報流出の懸念があることです。
自社業務のアウトソーシングを行う場合、業務内容によっては自社の機密情報をアウトソーサーに渡すことがあります。
アウトソーサーとしては、受け取った機密情報は厳重に管理し、外部への流出を防ぐことが求められますが、まれにアウトソーサーがハッキングを受けることによって機密情報が漏れることも考えられます。または、アウトソーサーの従業員のケアレスミスによっても情報漏洩が起きる場合があります。
アウトソーサーとしては、情報漏洩の発生は業務を行う上で致命的であることから、原則として厳重な管理を行っていますが、情報漏洩に対するリスクを抑えるためにも、アウトソーサーとの間で秘密保持契約を締結しておくべきでしょう。
自社とアウトソーサーで、完成度のとらえ方が異なる
そのほかのデメリットとしては、自社とアウトソーサーとの間で、作業の完成度についてとらえ方が異なっていることがあげられます。
例えば、自社としては、細部にまでこだわった内容とすることで完成とみなす、と考え、アウトソーサーとしては、全体的にみて問題がなければ完成とみなす、と考えていたとしましょう。
ここで、自社とアウトソーサーで、作業の完成度に対して考え方の違いが発生しているため、アウトソーサーの作業レベルでは、自社としては満足しないことになってしまいます。
そのような問題の発生を防ぐためには、自社とアウトソーサーとの間で、綿密な打ち合わせを行っておくことが重要となります。
自社としては、どのような作業レベルを求めるのか、ということを伝達し、アウトソーサーは、求める作業レベルの業務が可能かどうか、ということを伝え、両者が同意した上で、業務を行うことが必要でしょう。
また、自社がアウトソーサーを試験的に利用してみる、ということも一つの方法です。試験的な利用で問題がなければ、アウトソーシングする業務を拡大できます。
新たなサービスを利用する場合は、デメリットが問題となることがありますが、発生しうるデメリットをあらかじめ把握し、デメリットを防ぐための方法を講じておくことが、新たなサービスの賢い利用法と言えるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)