ノンコア業務のアウトソーシングは大別すると3種類
企業が行っている業務をBPOの観点から分けると、「コア業務」と「ノンコア業務」に分けることができます。
コア業務は売上に直結する業務であるため、基本的に自社で行いますが、現在では、業務効率化の観点からノンコア業務を外部に委託する事例が増えています。
なお、ノンコア業務のアウトソーシングは、大きく分けると3種類の型に分けることができます。具体的にどのような種類に分けることができるのでしょうか。
プッシュ・アウト型
ノンコア業務のアウトソーシング形態としては、「プッシュ・アウト型」、「アド・オン型」、「バイ・イン型」の3種類に分けることができます。
プッシュ・アウト型とは、単純に業務をアウトソーシングすることを意味します。アウトソーシングする側の企業は、アウトソーシングを請け負う企業であるアウトソーサーに対し、指示した内容の通りに業務を処理することを求めます。
このことから、プッシュ・アウト型のアウトソーシングは、従来型のアウトソーシングと言うことができます。
プッシュ・アウト型に向いている業務としては、単純な作業やマニュアル化されている作業など、定型的な業務となります。
プッシュ・アウト型のアウトソーシングを行うことにより、BPOを依頼した企業としては、経費の削減や業務の効率化などが実現します。
アド・オン型
プッシュ・アウト型は依頼された内容を忠実に処理する従来型のアウトソーシングであるのに対し、アド・オン型とバイ・イン型は、アウトソーサーが、BPOを依頼する企業が求めている以上の成果を上げることが特徴となっています。
それぞれの型について、詳しくみていくことにしましょう。
アド・オン型の特徴としては、アウトソーシングのサービスを充実させた内容となっていることです。例えば、納期の短縮やチェック機能の強化による納品物の高品質化などがあげられます。
仮に、BPOを依頼した企業がある業務の納期を2週間と提示した場合、アウトソーサーは作業の効率化を図り、納期を1週間と提示したとしましょう。
BPOを依頼した企業にとっては、業務の削減が実現するだけではなく、業務のスピードがアップ実現するため、業務効率化の効果が十分に期待できることになります。
アウトソーサーが、依頼を受けた業務を確実に処理することは基本と言えますが、プラスアルファを追求し、良質な業務を行えば、BPOを依頼する企業からの信頼が向上することでしょう。
バイ・イン型
バイ・イン型とは、アウトソーサーが提供している既存のサービスのほかに新たなサービスを追加し、アウトソーシングのサービス内容を充実させることを指します。
バイ・イン型が提供される背景としては、アウトソーサーがBPOを依頼する企業の要望にできる限り対応したい、ということがあります。
アウトソーサーがBPOにおいてアウトソーシングを請け負う流れとしては、アウトソーサーがBPOを依頼する企業に対して、業務の運営状況を聞き取りし、どのような問題を解決する必要があるのか、企業はどんなことを要望しているのか、ということを把握します。
企業が抱える問題によっては、アウトソーサーが提供する既存のサービスだけでは、問題の解決に至らないことも予想されることでしょう。そのような状況に対応するために、既存のサービスにプラスして新たなサービスを追加することがあるのです。
バイ・イン型のアウトソーシングによって、ノンコア業務をアウトソーシングできるだけでなく、コア業務の効率化も期待されます。
BPOにおいては、これらの型が単独で提供されるのではなく、BPOを依頼する企業の状況に応じて、複数の型を適切に組み合わせながらサービスを提供することが一般的となっています。
BPOを依頼する企業としては、適切なサービスを受けるためにも、自社が抱える問題についてアウトソーサーと十分に話し合うことが大切です。
(画像は写真ACより)