副業務としての役割を持つノンコア業務
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の効果を高めるためには、普段行っている業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分ける必要があります。
ノンコア業務は、コア業務からみた場合「副業務」の役割を果たすと言えますが、ノンコア業務とは、具体的にはどのような業務なのでしょうか。BPOを行う上で理解しておきたい「ノンコア業務」について詳しくみていくことにしましょう。
コア業務をサポートする業務
ノンコア業務の特徴としてあげられることは、コア業務をサポートする役割を果たしている点です。
コア業務について簡単に説明すると、企業において主力となる業務のことで、直接的に売上を稼ぐ業務と言えます。しかし、企業の運営は、売上を稼ぐ業務だけでは成り立たたない仕組みとなっています。
例えば、企業における重要な業務の中には、日々の売上金額の集計や月間・年間単位での売上集計、財務諸表の作成、従業員の勤怠管理や給与計算、社員の適切な人員配置などもあり、企業を円滑に運営していくためには、支援的と言える業務を処理する必要があります。
もし、ノンコア業務を行う部署がなければ、コア業務を行っている人たちがノンコア業務も行わなければならないため、主力の業務であるコア業務に支障が生じることにもなりかねません。
このことから、ノンコア業務は、企業にとってなくてはならない業務であると言えるのです。
サポート業務であるため、利益は発生しない
ノンコア業務は、サポート的な業務でありながらも重要な役割を果たす業務であることが分かりましたが、その一方で、ノンコア業務は売上や利益が生じない業務となります。
例えば、経理部で行う売上集計の業務は、売上金額をまとめて、売上金額を外部に発表するために欠かせない業務ではありますが、売上集計の業務そのものは、売上金額を確認してまとめるだけの作業であり、売上が生じることはありません。
また、人事部が行う給与計算は、従業員が受け取る給与を計算する作業であり、従業員の生活を考えると、間違えることのできない作業ではありますが、給与計算も重要な業務でありながら、給与計算の作業で売上は発生しないのです。
このように、どんなに重要な業務であっても、業務を処理することによって売上が発生しないのが、ノンコア業務ならではの特徴と言えます。
専門的な判断が不要な業務
そのほか、ノンコア業務の特徴としては「専門的な判断が不要」ということもあげられます。
ノンコア業務の一例として、売上集計や給与計算の業務などをあげましたが、これらの業務を行うためには、正確な処理を行うために、業務を処理する方法を理解しなければなりません。
しかし、これらの業務は、マニュアル通りに処理することによって業務が進められることから、作業を行っている人は難しい判断に迫られる必要がありません。その意味では、作業方法を習得すれば誰でも処理できる方法と言えます。
専門的な判断が不要で、マニュアル化されている業務は、BPOによるアウトソーシングが行いやすい業務です。
ノンコア業務は、重要な業務でありながら利益を生み出すことがないため、業務効率化の観点からみた場合、極力経費をかけずに業務を処理したいところですが、それを実現できるのが、一括的なアウトソーシングが可能となる「BPO」なのです。
近年は、人手不足が特に深刻化していること、そして、政府主導の「働き方改革」を実現するためにも、業務効率化が求められている状況ですが、BPOの導入により、ノンコア業務をアウトソーシングして利益の確保に努めていきましょう。
(画像は写真素材足成より)